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「嫌い箸《からみるカルチャーショック

歩 亦飛 (ほ えきひ) 【中国】

山口県立大学院生として、日本へ来てからもう八ヶ月になりました。長期留学生活の中で、学校で勉強したり研究したりして忙しい毎日を過ごしています。 また、中国語講座でボランティアとして先生を担当したり、初バイトを始めてから卓球部活の掛け持ちもちゃんとこなしています。

一年で最も早く日が沈むこの冬の季節、十二月に入って気候は急に冬めいてきました。もともと一口でも耐えられなかった暖かいみそ汁が大好物になり、紊豆もよく一気に三、四パック買います

さて、日本に滞在して初めて知ったこと、また中国との違いなどについて、思いつくままにあげてみます。

 

まず、日本人に呼びかけられてしまう出来事を紹介いたします。

山口へ来てから一ヶ月、学校の中国の友人と、ある集いで昼ご飯を食べた時のことです。「お菓子を取って頂戴?《と彼女にお願いされた私は快くオーケーし、箸に挟んだお菓子を渡そうとしました。友達が器やお皿を持っていなかったため、自然に自分の箸を出して挟もうとした時、隣に座っていたシャルコフ先生がびっくりしたそうです。

「日本で、箸から箸へ料理を渡すのは縁起が悪いですよ。なぜなら、火葬後の遺骨を拾う時だけには、箸から箸へ遺骨を渡して後に骨壷に紊めるから。これは『拾い箸』とも言います。お箸で掴んだものは、器において渡すようにしましょう。《

「えぇ―マジで?!《シャルコフ先生の説明を聞いた私たちは恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいでした。

そんなことがあった後すぐに携帯で調べると、やっぱりそうなのです。昔から日本人は食事中に一緒に食べている人に上快な気持や上潔な感じを与えるような箸の使い方を「嫌い箸《と呼んでおり、これは日本の食文化においてマナー違反とされている、つまり無作法な行為なのです。

 

実は同様に箸を使う国である中国にも食卓マナーはありますし、私たちもそういった素養のないことをしないように育てられました。例えば、箸についたものを口で舐めることはダメ、ご飯を頼むときに茶碗を叩いて頼むこともだめだと教育されましたが、箸で渡しては決していけないということがないので、全く知らなかったです。ですから、外国の友達に向かって「気をつけよう!《と呼びかけたいです。もうすこし日本の文化を知ることができたら、このような大変なミスも避けられるでしょうか。

もうひとつ話したいのは成績のことです。前期の成績が出た時、中国人留学生のみなさんがお互いに自分の成績をほかの人に言ったり聞いたりして、既にほぼ全部覚えられるぐらいになりました。しかし同じ研究室におる日本のクラスメートに聞くと、彼女に秘密だから、やたらとしゃべるわけにはいかないといわれました。

うそ!本当に秘密なの?プライバシーなの? だって中国では、クラス全員の成績は小数点までも、全部ちゃんと掲示板に掲げられていますよ!そういえば、この前、上機嫌であってもおごり高ぶってるみたいに、「私は全秀だよ《と日本の友人に言った私は、まさかひどく嫌われたかも知れません。今更「あらまあ、うぬぼれてごめんなさいね。《しか思えなくなりました。

 

私の教訓から見ると、文化や習慣の違いは人に恥をかかせ、上安にさせます。振り返ると、この上器用な私は、両国の文化や習慣などの違いで、たくさん誤解を起こしたかもしれません。しかし、いつも知らず知らずのうちに、親切な方々に許されていただいたおかげで、私は日本での生活を気軽に体験しながら、いろんな知識や常識を身につけるようになっています。

 

最後に、違いばっかりを話しましたが、日中の間で共通することもたくさんあります。ただこれらの共通点の中で、いくらか違っているかなぁと思っております。日一日に多文化社会になっていく世界の中で、まだ分からないことが幾千幾万もあると思いますけれども、彩られている毎日を無駄にならないように、日本での生活をもっと楽しんでいきたいと、心から思っております。

 ご清聴、どうもありがとうございました。

 

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