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〜県知事賞〜
「国際協力と日本」(ガラス壜の中の手紙)
宇部市立藤山中学校二年 白壁 爽子(しらかべ さわこ)さん
 

 戦後の日本はアメリカに憧れ、アメリカの背を見て発展してきました。  今、日本が先進国≠ニして成り立っているのは、アメリカを手本に選び学んできたからなのでしょう。そのため日本は、目標にしてきたアメリカのことは分かる様になりましたが、隣国である韓国や朝鮮、オーストラリアなどの国の問題については、ほとんど知らないのです。

 先日、学校でオーストラリアへの姉妹都市交流の話があり、私はオーストラリアについて 興味を持ちました。   オーストラリアは南半球に位置する世界最小の大陸です。そして、日本では見る事のできない野生動物の宝庫として有名です。また、原住民・アボリジニという人々と20世紀初頭に移住してきたヨーロッパ系の人々との2つの民族が存在する多民族国家です。オーストラリアは 多民族国家だからこそ抱えている問題が多く、それはほぼ単一民族である日本には、計り知れない未知の問題です。

 オーストラリア社会が現在、アボリジニの権利を広め、必要な補助などを行っていることについて、これを支持しているアボリジニがいる一方、現代オーストラリアの政府や社会を強く批判し、イギリス人入植以来過去二百年間自分達の土地が侵食され続けていると考える人々もいます。二つの民族が存在することで発生する問題が多いのです。  このような、国の内面的な事情を、私達日本人はほとんど知る機会がありません。国際交流を求められられる現在ですが、まずしなくてはならないのは、国を理解する国際理解≠ナはないでしょうか。国と国との交流を人間関係に置き変えて考えた時に、友達になろうとする人の名前や身長などの外面的な事しか知らずに友達になる事はできないはずです。その人の内面的問題、悩みを理解してこそ、本当の友達≠ノなることができます。国と国とも同じなのです。

 まだ知識の浅い私達がすぐに理解できるような簡単な問題ではないと思います。しかし、だからといって考えないのではなく、自分なりにその国のことを考え、理解することが、大切なのだと思います。私も、オーストラリアという国について調べてみて、沢山のことを知ることができました。少しづつでも、何もしないよりは遥かにオーストラリアの内面的な部分に近づくことができたと思います。そして、いつかは現地へ行き、自身の目で見、感じて問題について今より深く考えてみたいと思っています。そして、理解することを通して、互いの文化に触れ合いたいです。

 手紙の入ったガラス壜が流れつく物語があります。実際にはめったにあることではないでしょう。しかし、海を越えて伝えたいものが誰かに届くという点で考えると、目に見えないガラス壜の手紙は私達に届いてきているはずです。本当はこんな国です≠ニか困っています≠ニか内容は様々でしょう。その、手紙はガラス壜の中から取り出し読んではじめて、自分が 考えていたより深く、心に伝わるはずです。眺めているだけでは、本当に伝えたい部分を感じることはできないでしょう。差し出し人は、オーストラリアだけではありません。きっともっと沢山の国からも、手紙は出されているはずです。

 私は、国を越えて通じ合える、伝え合えるように手紙≠色々な国・人に届けていきたいと思います。ガラス壜の中の手紙を届けてくれる「海」のように、色々な国のことを伝えていきたいです。

 いつか、本当に他国のことを皆が理解し合えば、仲間同士でいがみ合うことも、争い合うこともなくなると思います。色々な人がいるこの「世界」では、自分と違う人を理解することと相手をあるがままに受け入れること、そして何よりも、そういう事を知ることが、一番大切なことなのではないのでしょうか。

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