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 最優秀作品(2008年度)【中学生作文コンテスト 高校生による国際交流体験感想文コンテスト】

最優秀作品【高校生による海外体験感想文コンテスト】(2008年度)

〜最優秀(県知事賞)〜
「日韓の架け橋に」
慶進高等学校二年 山本 みずほ さん
 五年前、私は衝撃的な出会いをした。「韓国」という国に。その当時、日本中で韓流ブームが沸き起こっていたが、私も例外ではなく、すっかり韓国に魅せられてしまったのである。それまで「近くて遠い国」と呼ばれてきた韓国だったが、韓流ブームがきっかけで私は韓国の文化を知り、特に年上を敬う態度にはとても驚いた。私のような日本の若者に足りない部分を韓国人は持っており、そんな韓国に私は魅了され、また憧れを抱くようになったのだ。
 ずっと、この目で生の韓国を見て感じたいという気持ちはあったが、機会に恵まれなかった。私は以前から、大学では韓国語を学びたいという考えを両親に話しており、実際に韓国で韓国語を話してみたいと頼み込んで、ようやく今年の夏休みに念願の韓国を訪れることができた。
 一週間前に急に決まった二泊三日の短い旅行であったが、私は浮かれていた。ずっとあこがれていた韓国に足を踏み入れる事ができるという楽しみしかなかった。しかし、念願の韓国旅行ではあったが、楽しいだけでなく、考えさせられる旅でもあった。
 私が韓国へ行ったのは八月十五日。そう、八月十五日といえば日本の終戦記念日である。現地の韓国人ガイドの方が「今日は日本は終戦記念日ですが、韓国では日本の植民地支配から解放された独立記念日なんですよ。」と教えてくれた。言われてみると、確かにそうだったと思った。だが、そんなことを今まで考えもしなかった私にはショックだった。今まで教科書で習ってきた歴史を、現実のものとしてつきつけられた気がしたのだ。
 翌日ホテルで見ていたニュースでは、独立記念日に行われた催事について報じていた。私は昨日のガイドの方から聞いた話を思い出しながら聞いていたが、その時丁度、竹島問題について流れ始めた。最近、日本が文科省指導要領に竹島を日本の領土として明記するという発表をしたことで、メディアで取り上げられているのを何度も見ていた。韓国側の様子も目にしたことがあった。しかし、実際にその国で直接、逆側の立場の報道を見る事は刺激的で、今、実際に日韓が抱えている重要な問題であるということを実感させられた。
 二泊という短い中で、大好きな韓国人アーティストのライブを見たこと、美味しい本場のキムチチゲを食べたこと、拙い韓国語でコミュニケーションが取れたこと……たくさんの楽しい思い出ができた。だが、一番強く心に残っているのは、やはり日韓問題をリアルに感じたことだ。
 もちろん、今まで日本と韓国の間にある問題を知らなかったわけではない。好きな韓国人アーティストが反日活動をしたという話を聞いて複雑な思いをしたこともあった。だが、その度に私は受け流し、考えないようにしていた。深く考えることで、せっかく身近に感じられた韓国との溝を感じることを恐れていたのだ。深く韓国を知りたいと思う反面で、これまで自分が逃げてきたことを思い知らされ、このままではいけないと考えるようになった。
 いつまでも目をそむけていては、韓国と本当の意味で近づく日はいつまで経っても来ないだろう。私たちは歴史を学び、事実を知り、そしてそのことについて深く考える努力をしなければならない。韓国が好きだからこそ、日本と韓国の間にある問題にしっかり向き合わなければいけないのである。今回の旅は、今まで日韓問題を直視してこなかった私にとって、大変大きな収穫だった。
 日本と韓国の間には、未だ解決されていない問題がたくさんある。歴史教科書問題、従軍慰安婦問題、竹島問題……。私は日本史を学習しているが、今残されている問題にリンクする内容を学ぶ度、胸が痛む。だが私たちはしっかりと事実を受け止め考えなければならないし、そうしていくことで必ず韓国と良い関係を築けるはずだと信じている。
 きっかけは韓流ブームにのせられた「ドラマが面白いから」という軽い気持ちだった。しかし、深く入り込めば入り込むほど、韓国という国は魅力的で、今では韓国語を学び、文化を学び、そして様々な問題を解決することに貢献したいと思っている。
 私は日本も大好きで韓国も大好きである。いつか韓国が日本にとって「近くて遠い国」から「近くて近い国」に変わる日、その日のために貢献できるような人間になれるよう努力していきたい。
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