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最優秀作品【高校生による国際交流体験感想文コンテスト】(2010年度)

〜最優秀賞(県知事賞)〜
え・が・お・で・あ・い
サビエル高等学校一年生 佐野 ゆうこ(さの ゆうこ)さん
 この世には、「お金で買えない宝物が二つある」〜「Thank you」(ありがとう)という挨拶と、「Smile」(ほほえみ)〜だ。
 これは、今夏オーストラリア短期語学研修を通して気づかされた最高のお土産となった。いつでも、どこでも、見知らぬ人からのさりげない「Thank you」が、す〜っと、心地よく耳にしみこむ。
 ホストファミリー宅からの通学車内は、いつも込んでいた。身動きがとれない状態だった。ドア近くに立つことが多かったこともあって、各駅に着くたびに場所を空けなければならない。少々面倒だったが、降りる人の誰もが「Thank you!」の言葉を残して降りて行く。その一言は満員電車の窮屈さをとりのぞくのに十分で、ほんとうにうれしかった。
 優先座席も、ごく自然に譲り合う光景には、語学力の足りなさを不安がっていた私にとって、どれほど癒されたことだろう。
 そういえば、車内には、日本流の企業広告が一切なかった。あるのは、「マナーに関する呼びかけのポスター」だけだった。なるほど、公共の場では、私的な商品の売込みではなく、お互いが安全・安心して幸せに暮らせることを優先している懐の深さを垣間見る思いがした。ごく当たり前のことを当たり前にしようと呼びかけている人たちを間近に見ていると、そうしたことがなかなか出来ないでいる自分の小ささと恥ずかしさを痛感した。
 日本人の多くは、いつも回りに気を使って生きているように感じることがある。学校に限らず、どうやら社会でも同じらしい。周囲の人々の挙動を観察し、また言動に左右されながら過ごすことが多い気がする。「付和雷同」という言葉がぴったりだ。そういうことに神経をすり減らすから、ストレスがたまり、眉間にしわが寄る。
 それに比べて、オーストラリア人は、「気を遣う」のではなく、他者に対して「心をかけている」のかな。だから、自然と「Thank you」の言葉が出るし、すてきな笑顔が交し合える。うらやましくてならなかった。
 オーストラリアで出会った人々の素敵な笑顔に支えられ、楽しい二週間を過ごせたことが、私にとっては何にも代えがたい大きな財産となった。ホストマザーのやさしい微笑みが、どれだけ英語の不安さを解消してくれたことだろう。授業中、文法や表現が間違っても、ニッコリと微笑んで丁寧に説明してくれた先生方。通学途上、学校への道順を尋ねると、わざわざ学校まで送り届けてくれた見知らぬ人の愛情の深さ・・。本当の幸せって、こういうことを指すのかな、と幸福感にひたってしまった。世界の平和は、出会う人々同士が国境を越え、民族や文化を超えて、お互いにニッコリと微笑みながら、「ありがとう」と言い合えるところから始まることを教えられた気がする。まさに、「え・が・お・で・あ・い」。
 「笑顔 で 出会い」、「笑顔   を示す」という言葉がぴったりする体験だった。
 渡航する前は、いろんな不安でいっぱいだった。自己主張がはっきりしている国で、やや優柔不断な私の性格が通用するだろうか。「自分は自分。あなたはあなた。」と取り残されはしないだろうか。多民族国家の中で、はっきりと自分の考えを伝えられるだろうか。次から次へと不安分子が頭をよぎり、びくびくした日々を過ごしていたことが、まるで嘘のように思い出される。
 ステイ先には子供がいなかった。一人っ子の私にとって、それは少し淋しかった。でも幸いにも、フランス人が一緒にステイしていたので、結構おもしろい体験も出来た。
 その一つは、日本人が時間にこだわりすぎている、という発見(?)だった。学校の授業も時間通り。ベルが鳴って始まり、ベルとともに終了する。新幹線もバスも時刻表通り。「時間を守るのが当たり前」の生活に慣れていた日本人の私にとって、オーストラリアでは、違っていた。初めは、「なんでえ?」と少々愚痴もこぼしたが、何日かすると、そのことが、逆に心地よくなってきた。時間にルーズというよりは、「マイペース」なのだ。時間にこせこせ、ちまちまするのでなく、要するにおおらかな「アバウトさ」の雰囲気がとても好きになった。
 それは、人間に限らない。動物園に行ったときのことだ。カンガルーに餌をあげても、彼らは寝そべったまま口にするではないか。「横着なカンガルーめ!」、と一瞬怒ったが、人だけでなく、動物たちもマイペースに生きているのだ、と妙に納得してしまった。
 今回のすべての体験は、有形無形の宝物となったに違いない。私のボロボロの英語に耳を傾けて理解しようとしてくれたホストマザーをはじめ、出会った人々みんながやさしく接してくれた。私の心もポカポカとあたたかい。
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