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最優秀作品【高校生による国際交流体験感想文コンテスト】(2011年度)

〜最優秀賞(県知事賞)〜
真の国際人とは?〜アジアユース人材育成プログラムに参加して〜
山口県立下関中等教育学校5回生 奥村 素生(おくむら もとき)さん
 「Think globally Act locally」この言葉をモットーに今夏、沖縄県でアジアユース人材育成プログラムが開催され、私もこれに参加しました。
 現在、世界人口七十億人のうち、十一億人に安全な水が供給されていないと言われています。そして、安全な水を飲めないために、三秒に一人の割合で子供が死亡しています。
 僕がこのプログラムに参加しようと思った動機は、今日、世界的な問題である環境問題について、これまで深く考える機会がなかったからです。しかし、このプログラムで僕は環境問題だけでなく、真の国際人とは何か、ということを学びました。その具体例を二つ挙げたいと思います。
 一つ目は食事の時に体験したことです。普通の料理とともに、イスラーム教の戒律により豚肉を食べられない人達用に別のメニューが用意されており、彼らはその料理を食べていました。また、断食中で食事を摂らない人もいました。僕は最初、それがあまりにも厳格に実行されているので驚きました。せっかく世界の若者が一つの場に集まって研修に励んでいるのだから、同じ食事をしてもいいのではないか、と違和感なども覚えました。しかし、彼らは、当然のことのように戒律を遵守し実行していました。彼らにとっては、豚肉を食べないことや断食は、自らのアイデンティティにかかわることだったからです。この時僕は、世界には民族や地域によって様々な文化が存在することを実感しました。また、自文化を絶対視するのではなく、差別や偏見を持つことなく、異文化を理解し受容する必要があることを学びました。
 二つ目は、成果発表会の準備の時でした。その時は全員が四つのグループに分けられ、各グループにリーダーが指名されました。そのリーダー達は作業時間が過ぎても、新しい提案が出ると、直ちにリーダー会議を開いて協議していました。そして、迅速に物事を決定し、作業を推進していました。僕は彼らの活動を見て、行動力の大切を実感しました。環境問題など、国際的な問題を考えていく上で、議論ばかりしていたのでは問題は解決しません。実際に行動する人と、意見だけ唱えて何もしない人では雲泥の差があります。
 では、これらの二つの事例から分かる真の国際人とは何でしょうか。英語が喋れる人でしょうか。話が上手な人でしょうか。僕は違うと思います。英語が喋れることや、話が上手であることの根底にある「文化相対主義」の観念と「行動力」を持っていないと真の国際人とはいえないと思います。民族・文化・価値観が異なる世界の人たちと円滑に交流していくためには、そうした能力や態度こそが必要なのです。
 僕は将来、環境や水のような人類にとって重要な問題を解決していく技術者になりたいと思っています。ただ、このプログラムに参加する前と後では、この将来像が違います。参加する前はただ漠然と自分が技術を開発していけばよいと考えていました。しかし、今、このプログラムが修了してからは、世界の技術者と協働して研究開発を行っていきたいと考えています。そのためには知識や技術だけでなく、「文化相対主義」の観念を持つことと「行動力」が必要であることに気づきました。
 このように自分の将来像が明確になった今、このプログラムで学習した世界が直面している危機を認識し、技術者としてそうした問題に関わっていくために必要な知識・技能を身につけていきます。そして、「真の国際人」として、今後の自分の人生をさらに充実・発展させていきたいと考えています。
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