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国際理解、国際協力のための各種コンテスト

 募集要項(2012年度) 

 最優秀作品(2012年度)【中学生作文コンテスト 高校生による国際交流体験感想文コンテスト

最優秀作品【中学生作文コンテスト】(2012年度)

〜最優秀賞(県知事賞)〜

※ 全国大会特賞(公益社団法人日本ユネスコ協会連盟会長賞)を受賞

「もしも私が国連職員なら」

高水高等学校付属中学校3年 那須 浩子(なす ひろこ)さん

 私は今年の夏、初めて三泊四日のユネスコ子どもキャンプに参加しました。今年は、私の住む山口県岩国市で開催されました。

 私はこのキャンプで特に心に残ったことがあります。それは、三日目のペリースクール生との交流です。私の住む岩国市には米軍基地があります。私の家から自転車で十五分のとても近い所にあります。ペリースクール生とは、そこに住んでいる小・中学生のことです。

 

 私の班にはペリースクール生が三人やって来ました。小学四年生の女子と私と同学年の男女、の計三人です。その中の私の班の同学年、つまり中三の男子は学校で日本語を勉強していました。ゲーム遊びなどのとき、彼は私たちが日本語で説明すると、それをあとの二人に英語で説明してくれました。

 私たち日本人でも国語は難しいと思うのに、同じ中三生の彼が通訳できることが本当に驚きでした。さらに彼は、日本語をもっと勉強して日本のお店で働きたいと言ったので、私はもっと驚きました。それは単に日本語が話せるだけではなく、自分の将来について真剣に考えて学校生活を送っていることが分かったからです。

 

 その日の昼食は、ペリースクール生とうどんを一緒に作って食べました。最初出会った時は両方とも緊張のせいか何も話せませんでした。しかし、料理を一緒に作ったり食べたりするうち、互いに慣れない英語と日本語を使ってどんどん会話が弾むようになりました。同じ日本語でも、言葉をもっと簡単な言葉に置き換えたり、英語に翻訳したりする作業を、この時ほど真剣に行ったことはありませんでした。しかしその試みがうまくいくと、相手の心に伝えたいことがスーッと入って行くのがよくわかりました。その時は思わずお互いが笑顔になりました。

 

 黒人と白人が同じ班に割り当てられた所もありましたが、私たち日本人が一緒に入ると肌の色を見ているだけで、これが国際社会なんだと変な感慨を持ちました。今世界では、肌の色が違うだけで差別を受け、戦争や貧困のため食事ができない子ども達がたくさんいます。私は、自分と違う国の子ども達と一緒に食事をすることができて単純に幸せだと思いました。

 私の班の奈良県から来た少女が、「私は外国人の子どもと初めて話したよ。初めは、テレビとかで見る外国人は怖いイメージしかなくて話すのに抵抗があったけど、話してみるととても楽しかった。」と言っていました。

 

 国連は、私たちとペリースクール生との交流の架け橋となってくれた通訳のできる彼のように、国と国とを繋ぐ架け橋だと思います。もしも私が国連の職員なら、世界には怖い人ばかりでなく一緒に笑いあったりできる優しい人がたくさんいるということを伝えていきたいです。班の少女が外国人は怖いイメージしかないと言いました。私はその感想や言葉を消し去っていきたいです。自分で見たこと感じたことを素直に正直に伝えられる職員になりたいと思います。なぜなら、私たち子どもは一緒に食事をしてもキャンプをしても争うことはないし、互いに相手を思い合い、譲り合うことを知っているからです。

 

 国際社会ではいまだに紛争が絶えません。先ごろシリアでは日本人ジャーナリストが殺されました。本当に悲しい。今年、子どもキャンプのテーマは「心に橋をかけよう」でした。子どもにとって橋をかけることはそんなに難しいことではないのに。

 私は、ペリースクール生と分かれる時、日本語で「ありがとう」と言われました。そのとき、私は本当にみんなと心が通じ合えたと思いました。自分が他国の人のことをもっと知り、素直な心とすがすがしい目を持って接することさえできたら世界中に笑顔が溢れると思います。

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