日本国際連合協会山口県本部ホームページ

トップページ

日本国際連合協会山口県本部について

国際連合とは

活動報告

お知らせ

リンク集

お問い合せ

活動報告

トップ 活動報告 国際理解、国際協力のための各種コンテスト > 中学生作文コンテスト最優秀作品

国際理解、国際協力のための各種コンテスト

 募集要項(2014年度) 

 最優秀作品(2014年度)【中学生作文コンテスト 高校生による国際交流体験感想文コンテスト】

最優秀作品【中学生作文コンテスト】(2014年度)

〜特賞(山口県知事賞)〜

※ 全国大会 佳作 を受賞

世界の平和と繁栄のため、国連が重視すべき取組

野田学園中学校3年 福田 青空(ふくだ あおぞら)さん

 私は、小学四年の時にボーイスカウトに入隊をしました。私の親が、多くの人と関わりを持ち視野を広げてほしいと勧めたからです。

 中学二年の夏、第十六回日本スカウトジャンボリー、アジア太平洋地域スカウトジャンボリーが、私が住む山口市のきらら浜で開催されました。そこで出会ったのが台湾人のトーマスでした。彼とは英語を使って話しました。はじめは言葉が通じないため、話すのに時間がかかり、上手く思いが伝わりませんでした。しかし、トーマスは中学生の私でもわかるように簡単な英語でゆっくり話してくれたり、私の伝えたいことを一所懸命理解しようとしたりしてくれました。彼のおかげで、とても楽しくて嬉しくて、充実した時間を過ごすことができました。

 私はトーマスとの出会いは奇跡だと思います。言葉、文化、生活習慣などが違っても、思いやりや愛情に満ちた対他意識をもつことで心が通じ合うことがわかったからです。

 ところで、ボーイスカウトに入隊する前の私は、日本以外の国で大きな災害や戦禍、事故が起きても他人事でした。日本が私の生活の中心であり、私はただ漠然と生き、日本以外の国ことなど、学校の授業で習うこと以外に考えたこともありませんでした。しかし、近年の世界情勢に目を向けると、ウクライナとロシア、ガザ地区のパレスチナ人とイスラエルとの対立、イラク内戦など、民族や宗派などの利益のために何の罪のない子どもたちまでも戦禍に巻き込まれています。テレビのニュースや新聞報道に触れるたびに私の心は痛みます。

 現在の国際連合においての各国の話し合いの状況を見てみると、自国の利益ばかりを主張して対立しています。もっとグローバルな視点から、自国の利益のみではなく他国を含めた世界全体を考えた話し合いが行われることが重要ではないかと思っています。

 紛争が起きて、尊い人命が失われてから活動するのではなく、紛争を未然に防ぎ人類共存に力を注ぐ国際連合になることが、世界平和のためには不可欠だと思います。

 これからの国際連合の課題として、私は子どもや老人などの社会的弱者の最優先保護があげられます。どのような状況においても、子どもや老人などの人権や平和な生活は守られるべきだと考えるからです。

 私はこれからの未来を担う子どもたちの意見を現代社会に多く取り入れるために、「国際子ども会議」を提案したいと思います。この会議には、国際連合に加盟しているすべての国に、子どもの参加を義務づける必要があります。会議では戦争のない平和な国際社会を築くために、意見を交換します。純粋な気持ちで話し合うことが期待できます。世界の国々はこの中で決議されたことを、総会や安全保障理事会等に反映させなくてはならないことも重要な条件となります。

 国家、民族、宗派の対立は、即、人間同士の対立ではなくて、国、民族、宗派の利害が生む対立に他なりません。諸外国の政治体制、民族、宗派の主導権争いによって、人々は戦わざるをえない状況になっている国や地域もあります。戦うことで意思を表す人類ではなく、ゆっくりとした歩みになるかもしれませんが、子どもたちの世代から話し合いにより、人類の進化をめざさなくてはなりません。

 私はトーマスに出会い、人と人とがつながるという人生において貴重な体験をしました。このことを踏まえ、私にできることは、世界平和、人類共存の視点から社会に対して正しい知識を得て、自ら考え判断し意見を持つことです。そして、それを世の中に訴えていく活動をしたいと思います。人と人とがつながり大きな輪ができれば、必ず平和な世界になることを確信しています。

 

〜特賞(日本国際連合協会山口県本部長賞)〜

もしも私が国連事務総長なら、国連で何をすべきか

周南市立桜田中学校2年 井 愛未(たかい まなみ)さん

 私は今、とても幸せだ。でも、何が幸せなのだろう。家族や友達がいること、学校で学べること、毎日何不自由なく生活できること、これら全てを、私は本当に幸せと思って過ごしているだろうか。いや、それらはあまりに当たり前すぎて、私は幸せだと感じることさえ忘れてしまっている。大変だ。私の心は、幸せに鈍感になってしまっている。

現在も、世界中のいろいろな所で、戦争は繰り返されている。イラク北部では、アメリカによる空爆も始まった。ロシアとウクライナの紛争も収まってはいない。なぜ戦争は起きてしまうのだろうか。戦争を起こすのは、きっとごく一部の人達で、多くの国民は決して戦争を望んではいないと思う。だったら、その一部の人達を説得できないだろうか。もしも私が、国連事務総長だったら、この説得に力を注ぎたいと思う。戦争は、ある日突然、しかも一瞬にして多くの尊い命を奪ってしまう。住む所も、食料さえも奪い去ってしまうのだ。そこに残されるのは、常に死と背中あわせという恐怖だ。肉親を失った悲しみや怒りだ。家族を失い、食料すら満足に手に入らない状況の中で、どうやって希望を見い出せば良いのだろう。大切なものを失った絶望感は、やがて憎しみへと変わっていくだろう。そしてそこからまた悲劇が繰り返される。もはや憎しみの連鎖だ。武力では何も解決しない。力でおさえつけて止めることなどできないのだ。必要なのは言葉だ。心だ。だから私は、根気強く語りかけたいと思う。相手を想って語りかければ、心はきっと伝わるはずだ。

でも、平和のためには、それだけでは足りない。もう一つ必要なもの、それは教育だ。いや、学びと言っても良いかもしれない。六九年前、日本は戦争に負けた。しかし、負けたことと引きかえに、多くのことを学んだ。戦争の悲惨さを学んだ。焼け野原となった国を、再生させる術を学んだ。何より平和の尊さを、大切さを学んだはずだ。私が国連事務総長だったら、これら全てを伝えたい。そのためには、学校を開かなければ。青空教室だってかまわない。戦争が行われていた国の人達は、日々生きることに精一杯で、きっと勉強どころではなかったはずだ。大人だって、子供だってかまわない。読み書きを教えよう。計算も教えよう。そして、戦争の悲惨さを話して聞かせよう。命と平和の尊さを話して聞かせよう。まずはそこからだ。知識が身に付けば、考え方や行動だってきっと変わってくるはずだ。戦後、日本人が必死で勉強して、国を造りあげてきたように、どんな国だって立て直すことは必ずできるはずだ。自分たちの国を、自分達の手で造りあげていく、その喜びを体験できたら、戦争なんてくだらないことだと思えるようになるのではないだろうか。自分達の国に、自分の未来に希望をいだけるようになるのではないだろうか。全ての国の人達が、そう思うようになれば、戦争は起こらないのではないだろうか。

今こうしている間にも、私と同じ歳の子供達が戦争で命を落としているかもしれない。私は、幸せに鈍感になっている場合ではない。伝えなければいけない。平和の素晴らしさを知っているからこそ、伝えなければならないのだ。伝えるためには行動だ。なぜなら、想いを乗せた言葉は、きっと他人を変えられると信じているからだ。

 

All Right Reserved. Copyright (c)日本国際連合協会山口県本部