私は豊浦高校、通称、豊高で外国語指導助手をしている。働き始めた頃は、「私の高校とは全然違う高校《だと思っていた。私はアメリカのシカゴ出身なので、その大都市の高校が下関の高校と違うのは当たり前だ。 私が卒業したLane Techという高校は、全校生徒が豊高の六倊もいる大きな学校である。また、レーンテックの特徴はとても国際的な生徒たちだ。豊高の生徒と違い、生徒たちは色々な事を自分で自由に決める事ができるので、この学校はとても面白く、明るい雰囲気がある。全く似ていないと思っていたが、豊高で働けば働くほど、「少し似ているかな《と思うようになった。一体、何が似ているのだろうか?よく考えると、一番強く感じる共通点は“School Spirit”というものだ。
スクールスピリットとは、校風または自分の学校を自慢する心のことだ。日本では、「自慢《という言葉にはあまりよくない意味があるが、この「自慢《は良い事だと思う。スクールスピリットは様々な形で表現される。例えば、制朊、スクールカラー、校歌、試合での応援等である。高校生は学校に行きたい意欲を持ちにくいので、学校を自慢できる生徒が多くいる学校は素晴らしい学校だと思う。 だからこそ私はレーンテックに入学した。豊高にも、「豊高魂《という言い方があるほど、生徒はスクールスピリットを持っている。
なぜ、この二つの学校は共にスクールスピリットを持っているのだろうか。一つの理由として、レーンテックと豊高は両方とも歴史があるからではないだろうか。豊高と同じように、レーンテックは数年前に百周年を迎え、元男子校だった。豊高も118周年を迎え、12年前まで男子校だった。両方とも伝統がある高校だ。
二つの学校の学生はスクールスピリットをたっぷり持っているが、表現の仕方は違う。例えば、レーンテックにはSpirit Weekというものがある。その週は日替わりで生徒がスクールカラーである黄色と緑色の朊を着たり、顔にペインティングをして登校したりと、生徒が一体となる事ができる。また、学校の運動部が大会へ出場する前は、全生徒が集まり、劇や歌等で応援する。愉快で明るい。
豊高にはスピリットウイークはないが、独特な応援の仕方がある。応援の為に、強い日差しの下で、軍隊のような練習が二時間以上続く事もある。その上、修学旅行の代わりに厳しい登山に挑戦ある行事もある。このような困難を共に乗り越えて、家族のような気持ちが芽生え、それが豊高生のスクールスピリットになっているように感じる。応援のしかたも全く違うが、心をこめて送り出しているという気持ちは同じだ。思っている以上に、アメリカの高校と日本の高校は似ている。
今の私は豊高魂とレーンテック魂の二つのスクールスピリットを持っている。二つの高校の生徒が互いに頑張っていることや学校の自慢を紹介し合い、国際交流ができたらいいと願っている。二つの高校の架け橋になることが、私の今の夢である。
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