ある冬の晴れた朝に、真っ白な雪を頂く富士山が真っ青な空に浮かび上がる光景は日本以外どこにも例をみない絶妙な美しさではないでしょうか。私は日本に来る以前、日本には中国とは異なる魅力があるということをテレビやインターネットなどを通して知っていました。しかし、実際にどんな特色があるのか答えることが出来ずにいました。そんな私ももう日本に来て約半年が経ちました。私は日本に来て初めて、日本の魅力といえば「華やかさ《であると実感しました。
日本では、「春《は一年の中で一番快適で過ごしやすい季節であると言われています。そんな春と言えばやはり「桜色《です。中国と違って日本はこの桜咲く4月に入学シーズンを迎えます。
旧正月を迎え、職場も学校も休みになる中国とは違い、日本は私の想像を超えてこの時期に仕事や勉学に励みます。この大きな期待と共に迎える人生の大切な節目を祝うのが日本独特といえる「春《の迎え方です。
「夏《になると、緑あふれる日本になります。日本の伝統的家屋である縁側付きの木造の家から香る木のほのかな香りと、周囲の森から吹き抜けてくる爽やかな風に、誰もが暑い天気の中でも、「夏《の風情を感じることが出来るでしょう。そんな日本の夏の風情は中国の飾り気のないような田舎とは違って、とても心地よい雰囲気があり、私はとても好きです。
日本の中国と異なる美しさと言えば「秋《も欠かせません。中国の季節感には、冬と夏しか存在せず、「冬働き、夏遊ぶ《というのが、人々の基本的な生活パターンです。「夏の日《と「冬の日《が混じりあい、秋は存在感がありません。
しかし、日本には“紅葉狩り”という秋をより楽しむための独特の風潮と風情が存在します。赤や黄色に染まった紅葉の絨毯の上を歩いたり、景色を眺めたりすることは私の心を研ぎ澄ましてくれる、とても言葉では言い表せない美しい光景です。
このように、日本の特有の「華やかさ《には四季の移ろいから見られる自然のものだけではなく、もっと身近な生活の中にも存在しています。その中でも私が印象に残っているのが日本特有の包装文化です。日本では真心を込めて贈るプレゼントや貴重品の包装には、中国人からしたら「無駄《と思われるほどの派手さを際立たせています。また、料理でいえば「おせち《はいろんな色をふんだんに使い、食べて、そして見て楽しむ、まさに芸術品と言ってもおかしくない逸品だと思います。
日本に来て私がとても印象に残った日本ならではの「華やかさ《を最後に紹介したいと思います。私が毎朝授業に行くとき、近所の子供たちがよく私に「おはようございます《とあいさつをしてくれます。一日の始まりに彼女たちの生き生きとした笑顔と明るく、そして暖かみのある声を聴くことで私はいつも元気をもらっています。私は声にも人の心を彩る「華やかさ《があると思うのです。日本人にとっては何でもないことなのかもしれません。しかし、中国にいた時そういう経験が全然ない私にとってそういった「色彩《の中で毎日喜びと幸せを感じながら生活できることはとても素晴らしいことであると思います。
これは私から見る中国と違う日本の風景です。この日本特有とも言える「華やかさ《は日本の文化として展開できるほど日常生活に浸透していると思います。教科書や観光のパンフレットには決して載っていない私が見つけたこの日本の魅力をこれからより多くの中国人に教えてあげたいと思います。
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