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最優秀作品【高校生による国際交流体験感想文コンテスト】(2012年度)

〜最優秀賞(県知事賞)〜

自ら挑戦すること

山口県立下関中等教育学校6回生 内野 実菜(うちの みな)さん

私はこれまで六年間、学校で韓国語を選択し、学習してきました。はじめは記号を組み合わせると発音が分かるというところに魅力を感じ、率先して学習してきました。だんだん韓国語が速く読めるようになってくると、日本語と発音が似ている単語があることに気がつきました。学校の韓国人の先生と韓国語で話すたびに、韓国語を面白く感じ、好きになっていきました。

 

そして、昨年の春、初めての韓国旅行に行きました。旅行中に出会った韓国人のツアーガイドの方に、私の母が「韓国人の方は日本語がお上手ですね。」と言いました。するとツアーガイドの方は「日本人は外国人が日本語を学ぶのを待っているが、逆に日本人で自ら外国語を学び修得しようとする人は少ないように感じる。」とおっしゃっていました。確かに韓国と交流のある山口県でも、韓国語を学習している学校は多くありません。私も学校で韓国語を習っているとはいえ、日常会話がスムーズにできるほど上手くはありません。そこで私は、韓国の学校ではどのような日本語教育が行われているのかを知りたくなり、慶尚南道友好相互交流事業に参加させていただきました。

 

今回、韓国の高校を訪問して、韓国での日本語教育を肌で感じました。その時は「すごい」という感情しか起きませんでした。高校には流暢な日本語を話す先生がいて、韓国の高校生は上手に日本語を話しており、日本語力の高さに圧倒されました。この事業に共に参加した県内の高校生で韓国語を十分に話すことができる人は少なかったため、会話はほとんど日本語で成り立っていたほどでした。私達が訪問した高校では、日本語が必須科目だったことにも驚きました。そして、自分自身の韓国語力の低さを痛感しました。話したいことがなかなか言葉にできず、大変もどかしい思いをしましたが、そんな私達に対して韓国の高校生は必死に私達の感情を理解しようとしてくれました。私が学校で学習した韓国語と、独学で勉強した韓国語を使って自分の感情を伝えることができた時は、本当に嬉しかったです。

 

以前母との韓国旅行の時と比べ、私の世界観は変わりました。私の知らない韓国の地で、私が日常的に使っている日本語が使われていました。今まで私は身の周りのごく狭い世界の中で物事を考えていましたが、私達は広い世界で物事を考えなければいけないことに気付きました。

また、この事業では韓国の高校生だけでなく、同じ志を持った山口県の高校生とも交流することができました。ここで出会った仲間達には、普通に生活していたら絶対に出会うことができなかったでしょう。ほとんどが初対面で、「韓国に興味がある」という共通点しかありませんでしたが、日が経つにつれて仲も深まり、「韓国の人たちとより深い交流がしたい」という思いが高まってきました。その思いが私達に「何か行動を起こそう」という気持ちにさせたのだと思います。

 

今回私達は、お別れの時に感謝の気持ちを韓国語で伝えるというサプライズを考えました。このサプライズは成功しませんでしたが、限られた時間の中で必死になって考え、一つのものを完成させることができて、とても嬉しかったです。また一緒に韓国へ行こうと約束をするまで団結し、仲が良くなりました。

私は将来、世界で活躍する看護師になりたいと思っています。この事業を通して、もっと自分の感情を表現できるように、そして人の感情をもっと理解するために、韓国語を初めとする外国語をさらに学習していこうと心に決めました。

 

グローバル化が進み、日本に今後さらにたくさんの外国人が訪れるでしょう。きっと外国人の患者さんも増えていきます。その時に患者さんの痛みを理解することができれば、治療を迅速に進めることができます。外国人にも冷静に対応できる看護師になりたいと、今回の事業で強く感じました。そして何事も「自ら」進めていくことが大切なのだと気付きました。

 

自ら外国語を学ぶこと、自ら感情を伝えることが大切で、相手が行動するのを待っていては成長できません。私は日本人として、韓国の高校生が日本語を学習してくれていることが嬉しかったです。しかし、韓国人が日本語を話すことができるからといって、韓国語を学ぶことを疎かにすることは自分自身の成長につながりません。待っているのではなく、自ら歩み寄ることが大切だと思います。これからも韓国語の習得に努め、将来の夢の実現に向けて生かしていきたいと思います。

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