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最優秀作品【中学生作文コンテスト】(2009年度)

〜最優秀賞(県知事賞)〜
「もしも私が国連職員なら」
山口市立阿知須中学校一年 金田 凱存(かねた かいそん)さん
 ぼくは小学生のころ、ぼくと同年代の子どもが赤信号の間に弟をおぶって、車に乗っている人に新聞を売っている写真を見て、自分の目を疑った。
「まさかぼくと同じくらいの子どもが学校にも行かずに働いているなんて。」
 理由を聞いてもっと驚く。それは生きるためだったからだ。ぼくには親がいて、働いてくれて、学校に行くことができる。もちろん一日三回食事がとれている。しかしこの子たちは食事が三日に一回とれるかどうかという深刻な状況なのだそうだ。ぼくには理解が難しかった。学校から帰ってきて第一声が「今日の晩ごはんなに?」のぼくには学校に行けないなんて、幸せな家庭に生まれたぼくには想像すらしたこともなかった。
 なぜ学校にも行かず、危険に身をさらしてまで働かなければならないのか。それは家族のためだった。父は戦争に行って亡くなって、母だけでは子どもたちを養いきれなくなり働きに行かせる。仕方がなかったのだ。
 こういう子どもたちを助けるのが、国連の仕事の一つだ。ぼくはそれを聞いてとても頼もしいと思う。そしてぼくにも何かできることがないか考えてみた。
 まずは世界にどのような人がいてどのような状況に置かれているのか知ろうと思う。
 ぼくはこの夏、韓国との国際交流でホームステイを受け入れた。同世代の外国人と交流したのは初めてだ。その子と一緒に、ごはんを食べたり、風呂に入ったり、一緒に寝たり、買い物にいったり、家族のように生活した。また、ぼくが幼稚園のころ、エジプト人の数学の先生を受け入れたこともある。ぼくをひざに乗せてくれたり、肩車をしてくれたり、手をつないで歩いてくれたりした。数日間一緒に過ごしただけだが、彼らはぼくにとって特別な存在になる。だから、韓国やエジプトが困っていたら助けたいという気持ちになった。もちろん争いなどしたくはない。
 地球を一けんの家だと考えたら世界各国の人々は家族になる。家族同士で戦争するなんて、ありえない。家族が困っているのに知らん顔するなんて、できない。
 ぼくがこういう気持ちになったのは、本やインターネットで得た知識ではなく、実際にふれ合ったからだった。しかし、ぼくたち一般の者がより多くの国々を知るために個人的に世界を渡り歩くことは難しい。
 もしもぼくが国連の職員だったら、ぼくのような子どもたちを海外に連れて行く。できるだけ多くの子どもたちを、たくさんの子どもたちがつながれば、それだけ大きな力となり、知恵もわいてくるだろうと考えた。それに、次の世代を担うのは子供たちだから。今、大人たちがやっている戦争なんて、古いんだ。目の色、肌の色、文化、言語、宗教などが違っても、それはみんな個性。それを理解し尊重するようにしたら、どの国も子供たちも、大人になってから戦争を始めたり、困っている家族を放っておくようなことはしないだろう。
 明日の朝、太陽がのぼったら、ぼくは、「おはよう。」とあいさつをする。家族や近所の人たちだけでなく、韓国のジュヨン君に。エジプトのミスター・ハルーンに。そして、まだ出会っていない世界中の家族のみんなに。一日も早くだれもが平和な気持ちで目覚めることができるように願って。
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