私は、10月24日から28日までの5日間、韓国の済州島で行われた「第4回済州国際フォーラム」に参加しました。
実はこのフォーラムへの参加は、今年が2回目でした。昨年は、とっさに英語が出てこなかったり、言う機会を逃したり、悔しい思いをしました。帰りの飛行機の中で、もっと英語を勉強して、また来年済州島に戻ってこようと決意し、今年、その夢が叶いました。
去年最も感じたのは、日本人は非常にシャイだということです。自分では社交的な性格だと思っていましたが、流暢な英語を聞くと、自分が話して会話が止まったら、と普段なら気にならないことが気になって、急に勇気が無くなってしまいました。そこで私は、早く打ち解けるための作戦を立てて臨みました。
例えば、名前が書かれたネームプレートをいつも首にかけるようにしました。海外の人は、人の名前の読み方やイントネーションをすごく気にするそうで、私は何度も名前をきかれました。私の「ほのか」という名前は呼びにくく、覚えづらいのだそうです。そこで、人に会ったら挨拶を必ずして、自己紹介をしました。すると、「私の名前を誰が正しく言えるかクイズ」が始まり、2日目には、全員が私の名前を覚えてくれました。
滞在中は、サプライズもありました。昨年ルームメイトだった韓国の女の子に再開したのです。友達と目が合った瞬間、本当に驚きました。済州島の生徒は、このフォーラムに二度参加することができないのですが、友達は今回、スタッフとして参加していたのです。自由時間に、お互いの近況を伝え会いました。この再会は、最高のプレゼントでした。
そしてついに、去年最も悔しい思いをしたパネルディスカッションが始まりました。今年は、去年以上にテーマについて調べ、自分の意見をまとめてパネルディスカッションに参加しました。
私のグループのパネルテーマは、「校内暴力を防ぐには」でした。私の意見は、被害者側にたったものでした。グループの多くは同じ意見でした。しかし、イラクの学生が「加害者も実は悩んでいるかもしれないよ」と言ったとき、そういう見方もあるのか、とはっとさせられました。その時の感覚を伝えることはとても難しいのですが、新しいものの見方を知り、自分の考えがもっと深まっていくのを感じました。英語を使うのではなく、英語で議論するとは、こういうことなのだと発見し、議論を楽しめるようになりました。
5時間の討論の後、パネル別発表の準備をしました。パネリスト13人で話し合い、私たちは劇で「Stop Violence」のメッセージをPRすることになりました。2時間たらずの準備で不安でしたが、全員が作った話をつなぎ合わせて、台本を作りました。みんなで冗談も言いながら、楽しく台詞を考えました。違う国籍の13人の意見を交えて、実際に台本ができたときは、感動しました。
また、劇中のダンスシーンの練習で、私がついていけなくて困っていたときも、みんなが私のペースに合わせてくれたり、何度も振り付けの復習をしてくれたりしました。そして、それぞれの国の文化や考え方を共有できて、私にとって、中身の濃い、あっという間の2時間になりました。
最終日は、19都市ごとに特技披露をしました。私たち山口県グループは、書道と茶道を披露しました。私は茶道を披露したので、後でたくさん質問されました。また、浴衣を着ていたら、「私も着てみたい」と言われ、着付けをしました。興味を持ってもらえて嬉しく思う反面、茶道以外の柔道、剣道、相撲などは、聞かれてもあまり答えられなくて、自分の国のことなのに知らないことが多いのを恥ずかしく思いました。海外の文化を理解するには、まず日本のことを知らなければならないと思いました。
帰国してからは、今でもSNSで連絡を取り合っています。あのイラクの友達は帰国後、学校中に「Stop Violence」「Respect Life」という張り紙をしたそうです。議論で終わるのではなく、実際に行動していることに感動しました。また、ハングルのテストの勉強中に、どうしてもわからないことがありました。そこで韓国の友達にSNSで質問しました。深夜だったにも関わらず、友達は私がわかるまで丁寧に教えてくれました。離れた今も、こうして友達とつながっていることがうれしいです。
このフォーラムに再び参加できたこと、そのためにサポートして下さった方々、行かせてくれた両親、済州島で出会った友達、全てのことに感謝し、今度は私が、誰かに新しい見方を伝えられるよう成長していきたいです。
|